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めばえ

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

 春。様々な植物が芽吹く季節。冬眠していた動物たちが目覚め、新たな活動を始める季節。生きとし生けるものが、静から動へとダイナミックに躍動し始める季節ですね。今まで何もない様に思われていた地面に、小さな盛り上がり。一体何だろうと思って、気に掛けながら眺めていると、やがて芽が出て地面から空に向かって次第に伸びてゆき、大きくなってゆく。見えなくても地面に種があったのでしょうね。これは植物のお話。

 私たちが何かをしようとする時にも、同じ様なことが起きているのではないでしょうか。私たちの心に種が蒔かれて、水が撒かれ、日が当たり、時間がたって芽生えの時が来て芽を出して成長する。良いことをするための種、良い方に向かってゆく種。私たちの心に神様が惜しげなく蒔いて下さり、私たちが気づいていないとしても、一生懸命水をやって温め、世話をしておられるのでしょう。

 心に蒔かれた良い種。芽生えた小さな良い芽。大切にできればどんなによいことでしょう。出会う人、ともに生きる人を大切にしながら、自分にできる小さなことに心を込めて大切に行っていければ嬉しいですね。その様な姿を神様がご覧になられ、喜んで下さるでしょう。

 私たちの心、私の心には今何があるのでしょうか。どんな種が蒔かれているのでしょうか。どの様な芽が成長しているのでしょうか。良い種であるならば、眠らせておくだけではなく、神様からの恵みをいただきながら、芽生えさせ、大きく育ててゆかなければなりませんね。私たちの心に蒔かれた良い種が芽生えます様に、成長します様に、良い実りがあります様に。今日も新たな一日が始まります。神様からの恵みと祝福が豊かにあります様に。