人間が生きてゆくため、それも、より快適に過ごすために、この地球を利用するその方法が間違っていたことが、次第に分かってきました。なにしろ私達人類は、常春のような環境の中でしか、生きにくいのです。厳冬期に裸で外にいることなど、到底できません。
しかし私達は、住んでいるこの地球に、過酷な氷河期とか、その間に訪れる間氷期があることを学問の成果として知っています。しかもそれは何万年かごとに、交代して繰り返し襲ってくるということです。
今はわりあい小さな間氷期の中にいるということらしいです。ところが、交通機関や暖房その他で、一度気持ちが良く便利だということを体験してしまうと、もう後戻りすることは容易ではありません。これまでに何度も国際的な会議が開かれて、「サステナブル」な、すなわち持続可能な資源の用い方についての議定書を作って、温暖化にストップをかけようと努力がされてきましたが、それは私達全員の本気の協力なしには、もはや達成出来ないだろうという感じです。
昔、「80日間世界一周」という映画を観たのですが、私の記憶では、船に乗るしか選択肢がなくなった時、海の真ん中で燃料がなくなってしまい、船の上にある船室をはじめ、最後に港に着く寸前では、船体さえも鉈でどんどん叩き壊して燃やしてしまうという大笑いの場面がありました。これは究極の自転車操業と言えるでしょう。
しかし、目的を遂げるため、ーーこの場合は持続可能のためにーー乗っている船まで燃やしてしまう、そして、乗っている地球をも燃やしてしまうのは、行き過ぎでしょう。
神様は、人間に自然の利用をお許しになりましたがそれを当然と思ってはいけないでしょう。