▲をクリックすると音声で聞こえます。

サステナブル

シスター 岩田 真里亜

今日の心の糧イメージ

 この世に永久に続くものはありません。いつか必ず無くなるものですが、今あるものをできる限り健全に存続できるようにすることを目指して、世界は今足並みを揃えようと努力しています。

 これを実現するために大切なこと、それは「相手への敬意、大切にする気持ち、愛をもつこと」だと思います。人間同士でもほかの被造物に対しても同様に、自分以外の存在を認め敬うという意識なしには、どんな行為も無駄になるのではないでしょうか?

 しかし、これは言葉で言うほど易しいものではありません。なぜなら私たちは全ての被造物の一番前を歩くことに慣れてしまっているからです。現状はどちらかというと自分たち人間に都合が良くなるように、より立場や力が強い方に都合が良くなるように道を作っているのだと感じます。

 私自身も、振り返ってみると自分の益になるように物事を動かしていることが多いような気がします。自分の利益になることと神さまの望まれていることが合致しているときはいいのですが、そうでない時はなんとか理由を見つけて我を通そうとしたり、神様が示す最良の道からそっと目をそらしたりすることも多々あります。

 私たちには振り返る勇気と、後退する勇気、必要ならば自分を変えることのできる勇気があるでしょうか?始まりは良かったけど今も良い歩みを保っているのか、他者を置き去りにしていないか、振り返らないと分からないことがあります。

 イエスさまは、長い歴史の中で都合よく解釈され歪曲されてしまった掟を押し付けようとする人たちに対して、大切なのは「神と人とを愛すること」だけだとおっしゃっています。私たちも今一度振り返り、私たちの行為が「愛」に繋がっているかよく見てみましょう。