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新たな出発

熊本 洋

今日の心の糧イメージ

 中国の古典・「大学」に「まことに日に新たに、日々に新たに、また日に新たなり」という言葉があります。その意味は「今日の行いは、昨日より新しく良くなり、明日の行いは、さらによくなる」ということですが、新年を迎え、この教訓を胸に、この教えを生かした生活実践を誓いたいものであります。

 考えてみれば、毎日の生活に、それぞれ「新たな出発」があり、そこに新たな進歩、発展があることが理想であり、だれしも、望むところです。しかし、実際は、そうはいかず、挫折、挫折、失敗の連続ということもあり得ます。

 「失敗は成功のもと」と言われるものの、その挫折から容易に立ち直れないケースも、しばしばです。その落ち込みから、いかに立ち上がるか。それは容易でない事ですが、その人の頭脳と信念、熱意と根性次第と言えるかもしれません。

 さらには、その人の宗教心、何を信じているかにかかっているとも言えそうです。「私は無宗教」と言う人がいるかもしれませんが、その人も死者を前にしたとき、自然に手を合わせ、頭を下げる気持ちは失っていません。特定の宗教は持ち合わせていなくても、宗教心は、だれしも持ち合わせていると言えそうです。

 何かを信じ、信仰を持って生きることは、それがないよりも、ずっと力強く生きられると思います。所謂「安心立命」であります。

 「イワシの頭も信心から」という諺がありますが、これは「イワシの頭のようなつまらないものでも、信仰すると、すごく有り難く思える」という意味で、信仰の大切さを教えています。

 ただ、イワシは安くて栄養のある美味しい食べ物であると思うので、このように引用するのは、イワシに申し訳なく思うのですが・・。