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竹内 修一 神父

今日の心の糧イメージ

 健康であること――それは、おそらく、すべての人の願いでしょう。ご存知のように、健康は、英語ではhealthと言います。この言葉は、本来、「全体・完全」(whole)、「癒す」(heal)、また「神聖な」(holy)などの言葉と同語根のギリシャ語「ホロス」(holos)に由来します。また、健康は、ラテン語では「サルス」(salus)と言いますが、この言葉は、ただ単に身心の健康だけでなく、霊的な意味での健康も含み、「救い」(salvation)にまでもつながります。ですから、真の健康とは、ただ単に身心が健やかであるだけでなく、さらには、聖なる者となることまでも含んでいます。

 健康について、世界保健機関(WHO)は、次の三つの健康を提示しています。「身体的健康」「精神的健康」、そして「社会的健康」です。

 四つ目として、「霊的健康」も提案されましたが、これはまだ保留されています。バランスの取れた食生活、穏やかな心の状態、そして社会の一員としての自覚などが、求められるのでしょうか。

 「わたしがいのちのパンである」――と、イエスは語りました。(ヨハネ6・35)そして、このパンを食べる者は永遠に生きる、とも言われます。(同6・51、58)言い換えれば、私たちは、このパンを食べることによって、聖なる者へと変容され、真の救いへと導かれます。(霊的健康)

 「雨も雪も、ひとたび天から降れば/むなしく天に戻ることはない。それは大地を潤し、芽を出させ、生い茂らせ/種蒔く人には種を与え/食べる人には糧を与える」。(イザヤ 55.10)天からのしずくとは、イエス・キリスト。彼は、神のみ言葉として、またいのちのパンとして、私たちのいのちの糧となります。そうして、私たちは、聖なる者となります。