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授かったもの

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

 子どもは神からの授かりものといわれますが、私たちの思いや力を遥かに超えた形でいただいた大きな恵みを「授かりもの」と呼ぶのでしょうね。その様に考えると、実に私たちの周りには「授かったもの」が溢れている...ということに気づくことができるでしょう。父、母、お祖父さん、お祖母さん、先祖から受け継いだ特別なタレントなどもこの様に受け止めて良いのかも知れません。代々スポーツをしておられる家系とか、代々画家や音楽家、建築家、ドクター、専門分野に深く通じているなど、様々に授かっておられるのでしょうね。

 もちろん受け継いだもの、授かったものもさることながら、私たちは血と汗のにじむ様な努力で勝ち得たものもありますし、人によっては簡単に習得できたものもあるでしょうね。頑張って自分のものにした才能、タレント。それは何より自分にとって大きな宝でしょうし、周りの人にとっても喜びとも言えるでしょう。

 私たち、私の存在が、自分で生み出した、創造したものではないことを考えてみますと、全てのものは、いただきもの、授かりものとして受け止めることができる様に思いますが、いかがでしょうか。ここを出発点として、いただいたもの授かったものを感謝し受け止めて歩んでゆくならば、どんな状況にあっても、より良く歩んでゆけるのではないでしょうか。

 でもいただいたもの、授かったものをその様に受け止めること、捉えることは難しいかも知れません。その様な中にあって、前を向き未来に向かって歩もうとするなら、私たち一人一人の心に新たな光が差し込み、新たに歩むことができるでしょう。授かったものを大切にしながら、感謝のうちに歩んでゆくことができます様に。