授かったものとして真っ先に思い浮かぶのは、いのちです。
近年、日本ではいくつもの大きな災害が起こり、悲しいことに、死者を多く出しました。また、昨年から新型コロナに感染して亡くなる方は、少なからずいらっしゃいます。亡くなった方々は、自分の人生が突然に終わるとは、まったく予想していなかったのではないでしょうか。愛する家族を残して、不意に人生が終わることは、あまりにも辛い。しかし、それは自分にもあり得る。そう覚悟を決めて、普段からいのちの使い方について考えておくのは大切なことと思います。
ある学校の教員研修会で講師として招かれたとき、テーマが「いのちの大切さ」だったので、こう尋ねて発表してもらったことがあります。
「もしこの世でいのちがあと3日だったら、あなたは何をしますか?」
みなさんなら、何をされるでしょうか?
ある人が「大切な人に手紙を書きます」と答え、なるほどと思いました。手紙なら、面と向かって口に出しにくい気持ちも伝えられます。
また、何度も読んでもらえるでしょう。大切に残してもらえるかもしれません。
わたしもたぶん、手紙を書くでしょう。一番言いたいことを正直に書きます。それを短い簡単な言葉にすれば、「あのときは、ごめんなさい」かもしれません。「本当に本当にありがとう」かもしれません。
「これからもずっと大好きだよ」「いつも幸せを祈っています」かもしれません。
そういう気持ちをもちながら、残りの3日間を生きる。幸いに3日で終わらず、その先も生きることができれば有難いことです。
今日という貴重な時間をいただけることに感謝しつつ、授かったいのちを有意義に使っていければと思っています。