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授かったもの

シスター 下窄 優美

今日の心の糧イメージ

 「いったいあなたの持っているもので、いただかなかったものがあるでしょうか。もし、いただいたのなら、なぜいただかなかったかのような顔をして高ぶるのですか」。(1コリント4・7)この聖パウロの言葉は、普段はほとんど忘れていて、行き詰まると思いだす聖書の一節です。年に一度8日間の黙想をするのですが、黙想の初めにこれまでの人生をじっくり振り返るという課題をいただくことがあります。その時には、必ずこの言葉が降ってきます。「あなたの持っているもので、いただかなかったものがあるか」と。

 ところで、今年の聖霊降臨のお祝いに、仲間のシスターたちに花を選んでもらって、この花を選んだ人にはこの聖霊の実りがあたえられますというプレゼントをしました。プレゼントと言えるのかどうか分かりませんが、シスターたちは大変喜んでくれ、「この実りが欲しかったのよね」などとお礼を言われました。私が考え出したのは、くじ引きのようなもので、花と聖霊の実りを結び付けただけです。でも私の純粋な仲間たちは、自分が選んだ花に託された聖霊の実りを本当に受け取ったと信じたのです。そして、それは本当に神様からのお恵みとして彼女たちに与えられました。

 授かっていながら、それに気づかず無駄にすることが本当に沢山あります。でも私の仲間たちのように、信じることで、お恵みをある意味強引に手に入れることもあるのだと思います。神様がいつかあげようと思って準備してくださっていたものを「ありがとう」と先取りしてお礼を言って受け取ることは、小さな子供たちのやり方かもしれませんが、神様はお許しになるように思います。