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授かったもの

湯川 千恵子

今日の心の糧イメージ

 イエス様を知る前、私は情緒不安で心配性だった。幼い時に両親を失い.、子供心に人の命のはかなさを感じて育ったせいか。

 そんな私が5歳の長女をカトリックの幼稚園に入れたことで神の御子イエス様の教えに触れ、愛である神を知った。これは最高の【授かりもの】だった。夫がまず「洗礼を受けたい」と言い出し、「神の招きです。すぐ授けましょう。奥様もご一緒に」と神父様に言われて私は反発した。カトリックに偏見を持っていたからだ。

 しかし、神を「天の父」と呼び、その神が「私たち人間をありのままで愛して下さっている。だから何事も恐れるな」と説くイエス様に惹かれた。

 3か月後、私は夫と2人の子どもを連れて洗礼を受けた。神の子となった安心と喜びに包まれて心配性は消えていた。

 長男出産時に多量出血を経験、子供は二人で諦めていたが、いのちの源である神を信じて祈ったら、次男、三男と安産で授かり、一家6人となった。

 あれから約60年、人生の岐路でイエス様は生きる基軸・導き手だった。ところが夫が癌の告知を受けて茫然自失、神の愛を疑い苦しんだ。

 しかし苦難の中でもイエス様に祈ると慰められ、救われた。闘病2年、夫は安らかに天に召された。夫が天国で神のいのちと共に生きて輝いている姿を想うと、30年経った今も喜びが溢れ、元気が出る。

 子供たちも皆結婚し、7人の孫を含む17人の家族となった。

 信仰薄い私たちをイエス様は各々に適した恵みを与え、生かしてくださっている。

 字の如く、手で感謝して受けとるこの【授かりもの】は全ての人に与えられた恵みなのだ。

 コロナ禍で不安な昨今だが、最悪の状況でも善いものを創造される神の愛と憐れみは変わらない。希望をもって明るく生きようと想う。