▲をクリックすると音声で聞こえます。

授かったもの

村田 佳代子

今日の心の糧イメージ

 キリストの有名な例え話の一つに、マタイ福音書25章の「タラント」の話があります。(14~29)

 ご存知の方も多いと思いますが、現在テレビやラジオなどの世界で活躍する人を「タレント」と呼びますが、その語源となったとも言われる話です。

 あらすじは簡単です。主人が旅に出ることになり3人の僕を呼んで留守の間しっかり管理するようにとそれぞれに自分の財産を預け、帰宅後にその財産を清算する内容です。その時代のお金の単位をタラントと言い、3人はそれぞれ5タラント、2タラント、1タラントという金額を預かり、そのお金を元手に商売し、働き、儲けて倍額にまで増やすことが出来た僕と、失くしたら大変とばかり恐れて地面に穴を掘って隠した僕がいて、主人の下した結果こそ神のみ教えです。

 一方、メーテルリンク作「青い鳥」の中の未来の国で地上に生まれるのを待っている魂たちが、それぞれ授かった運命の袋を持って時の使いが迎えに来るのを待っている場面があります。

 私は子供の頃「青い鳥」を読んで特にこの箇所を心に刻み、重い病気にかかった時も突然の晴れ舞台にも、何事も私の袋にあったのだと、嘆くでもなく有頂天にもならず授かったものと思って成長しました。

 その間、母の影響と学校環境により聖書に親しみ、授かりものなら、より良くもっと沢山に増やしたいと努力し、今日迄人生を歩んできました。

 人との出会いや思いがけない出来事等、これは運命、神様から授かったものと思える多くの体験をしました。生かされる生命、出会いがあり築いた家庭、継続し続ける画業、授かったこれらが倍増したと神様に御報告し感謝の内に永遠の眠りに入る幸せを祈ります。