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ともに生きる

三宮 麻由子

今日の心の糧イメージ

 インターネットが世界的に「普通」の情報網になってきた今世紀初めごろから、ニュースに対する一般の人々のかかわり方が変わってきた気がします。まず、2001年の米同時多発攻撃をはじめ、そのころから世界的に配信されてきた多くの地域の災害、紛争、感動的な出来事から宇宙探査まで、世界中の人々が簡単に膨大な情報を得ることができるようになりました。

 最初、それらを「見る」ことで終っていた人々の行動は、「考える」、「考えを分かち合う」、「分かち合った考えをもとに一緒に行動する」と、どんどん発展していきました。感染症の蔓延で従来のように大声で訴えるデモのような行動ができなくなっても、ネットデモなる新しい行動が生み出されました。秘密の回覧の代わりにSNSで集った人たちが、リアルで「サイレントデモ」をする場面も増えました。

 私は、この行動力は諸刃の剣ではあるけれど、命を、人権を、尊厳を護る方向に正しく作用すれば、素晴らしい歴史につながる可能性を持っている気がしています。同様に、ネットには功罪あるけれど、良い行動につなげられれば最強の手段となる可能性があります。叡智を持って正しく活用すれば、人類がいま手に入れている「マス」と「ネットワーク」の力は、歴史になかったスケールで人々を結びつけてくれるかもしれないと思うのです。

 短文で多くの人に教えを説いたキリストは、人類最初の「ツイート」をしたと言われます。ネットの概念はこの時代からあったのかもしれません。現代のSNSは対立や分裂も生んでいますが、私はこれを「共に生きる」方法として活用し、キリストが説いた愛が少しでも広く実践される日がくればと願っています。