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ともに生きる

シスター 山本 ふみり

今日の心の糧イメージ

 御ミサの中で「主は皆さんと共に」「また、司祭と共に」「感謝と賛美を捧げましょう」と、お互いに、主が共にいて下さいますよ、大丈夫ですよ、と確認し合うフレーズがあります。それは弱い人間同士の励まし合いのようにも思われます。

 人にはそれぞれ願いが込められた名前がつけられています。

 イエス様の名前は、インマヌエル。「神は我らと共にいます」との意味があり、私達人間と共にいて下さる神様だと公言しておられます。何と嬉しい、喜ばしい事でしょうか! 神様の方から私たち人間の中に降りてこられ、いつも共にいて下さる、と言うのです。だから人間は、一人ぼっちだと思っていても本当は一人ぼっちではないのです。正確に言うなら一人ぼっちにはなれない存在なのです。

 苦しい時は愚痴を言って、悲しい時は思いっきり泣いて、ありのままの自分を受け止めましょう。もちろん受け止めるのは、私自身と、私と共にいて下さるイエス様です。ありのままの私を探して、なぜ、そうなったのか?そう思ったのか?奥深くにある自分の心と向き合い、本当の自分を見つけるのです。そして、これも私、神様が「よし」と創られた私なのだと認め、失敗を踏み台にしてイエス様に慰めて頂きながら、謙虚に再出発しましょう。イエス様は、その立ち直りに、恵みを与えたくて、力を貸したくてたまらずにいるのです。そしてその成功を共に喜ぼうと辛抱強く待っておられます。

 私たち人間は、一人残らず神様に似せて創られた良い者です。自分では、どんなに最悪な状態だと思っていても、神様が共にいて下さる以上の最上級の良い事はないのです。そのことを忘れないために、今日も挨拶を交わしましょう。

 「主は皆さんと共に」。