パトリシアさんという友人がいる。彼女とは南米の子どもたちへの学習支援で知り合った。彼女がペルーから来日したのは24歳の時。同じ頃、後に夫となるカツミさんがブラジルから27歳の時に来日した。パトリシアさんが働いていた工場でカツミさんの姉が働いていて、その方がキューピットとなり、2人は出会って3年目に結婚した。息子も生まれ、すでに成人して他県で働いている。
ご主人の家系には腎臓が悪い人が多かった。カツミさんが七歳の時、母親が腎臓病で帰天して、その後、兄や弟も腎臓病で帰天した。
今から7年前、カツミさんにも腎臓病が見つかった。カツミさんは夜、人工透析をしながら働く日々が続いた。ある日、パトリシアさんは夫に「もう透析はしなくていいよ」という言葉が口からこぼれ落ちた。それから彼女は腎臓移植について調べ始め、夫婦の血液型が違っても移植の可能性があることがわかった。
彼女の故郷ペルーでは星に祈る風習がある。夜空に三つの星が輝いたので、一つ目は夫のため、二つ目は戦争が起こらないように、三つ目は緑豊かな地球になるようにと祈った。
ある日、彼女は神様に促されるように、夫に「私の腎臓を一つあげるよ」と言った。夫は妻の言葉に涙を流した。2人で病院での検査の結果、腎臓を移植できることがわかった。しかし、絶対という保証はない。
その後、腎臓移植の日が決まり入院し、妻の腎臓を取り、10時間以上かけて夫に移植した。
長い時間が過ぎ、妻の腎臓が夫の体の中で機能し始めた。その間、彼女は聖母に祈り続けていたので、涙が止まらなかったという。パトリシアさんに、命がけの気づきを促した神様と聖母、そして星の輝きに心から賛美をささげたい!