2007年、当時大ヒットしたNHKのテレビドラマ「GOTAISETSU](御大切)は、山口県山口市にある山口サビエル記念聖堂を舞台として撮影が行われました。
その時私は、教会の責任者をしていましたので、撮影にも立会い、ドラマに出演される役者さんたちとのお話もありました。撮影前には、ドラマのディレクターからドラマのストーリーの監修を依頼され、お手伝いさせて戴きました。
そして、撮影間近になった時、私にもドラマの台本が手渡され初めて台本を読みました。その時、ドラマの監修時とは違って驚いたことがありました。その驚きとは、台本に記されていた役者さんたちの「台詞」が少ないことでした。つまり、「台詞」よりも周りの情景、役者さんの演じる具体的な場面描写の記述でした。私の想像では、役者さんの「台詞」だけが書かれているものだと思い込んでいたからです。な~るほど!役者さんは、この短い「台詞」を通してどのように演じるか、それが役者の演技力であることを初めて知りました。確かに、彼らが演じている光景を目の当たりにした時、体の動きもさる事ながら顔の表情、指先1本1本に至るまで、繊細な動きをしていました。特に顔の表情、目の動きは「すごいな」と感じさせられました。
私にとってこの体験は、その後、聖書を祈る時の貴重な学習となりました。聖書の中でイエス様がみ言葉を語られるとき、何処で、何を、誰に、どのように話されたか。それらを想像しながら祈りの中でみ言葉を味わうようになりました。
イエス様が弟子たちに語られる時のイエス様の表情、特に、弟子たちへの「まなざし」は、いつも優しく、時に厳しい視線です。その同じ「まなざし」が、私たちにも向けられ話されているのです。