約束ってなんだろうって考えていました。人といつ会う、と約束することなどよくありますが、そういうことではなく、もっとこれだと思うような約束がある、と思っていました。
そしてやっと気がついたのです。それは信仰のこと、神様との約束のことではないかと。最後まで、どんなに大変でもあなたのことを忘れません、あなたの元に帰るのですから、ということではないでしょうか。あなたがいつもそばにいてくださることを忘れません、という約束。これ以上に大切な約束があるでしょうか。考えてみれば、好きな聖書の言葉や、いろんな時に助けられてきた言葉の数々は、みんな約束の言葉ではなかったでしょうか。
昔、ある人から聞いたのですが、どこかの酒屋のオヤジさんが、「自分には帰るところがある」と言ったのだそうです。どんな状況でだれに言ったのかわかりませんが、すごい、素晴らしいと思いました。
そういえば、私もそんなオヤジさんを見たことがありました。東京にいた時に、たまにミサで見かける人でしたが、お肉屋さんのオヤジさんのような格好をした、ちょっとくたびれた白い作業着を着た人がミサに来ることがありました。なんていいんだろうと、羨ましくその人を見ていたことがありました。その人は、お店の支度があるのか、聖体拝領が終わるとそそくさと帰って行きました。あの人もきっと、私には帰るところがある、と胸を張って言える人に違いないと思いました。
そして、今、自分のことを考えてみると、きっと、最後の時には、「いろいろと難しいことがありましたが、これでよかったでしょうか」と神様に申し上げ、懐かしい人たちのいるところに入れていただけるようにお願いするしかないだろうと思っています。