私が「言葉の力」を感じるのは、ミサの聖体拝領である。司祭から「キリストのおんからだ」、「キリストのおん血」と言われ、「アーメン」とこたえる。言葉と共に、丸いパンの形をしたご聖体とぶどう酒は、食べて飲むので実感が湧く。
私は30歳を過ぎた時、東京での無理がたたって米沢の実家に戻った。日々、体調が悪くなり、8月11日頃だったと思う。市立病院に行った。診察室まで歩けなくて車椅子だった。医師は診察を終えるとすぐに検査と言われて、レントゲン、血液検査などが終わり、普通、結果はすぐには出ないものだが、即、家族が呼ばれた。当時、従兄弟もその病院の医師をしていて、主治医と話をしていた。検査後、私は医師から「1万人に1人の難病です」と言われ、入院となった。「2、3日点滴をしてから、本格的に検査をして治療をしましょう」と言われた。
私は先が見えず、荒野にある石に独りで座っているような気持ちだった。8月14日は聖コルベ神父の殉教の記念日だった。朝早く起きて、聖コルベ神父に祈った。その日の午後、カトリック教会の碧い目の司祭が来てくださった。大急ぎでお祈りを唱えてくださり、「キリストのおんからだ」と言って、私は「アーメン」とご聖体をいただいた。司祭は「あなたのためにお祈りしてます」と言い、明るく帰って行った。次の日は聖母被昇天の祭日で、私はマリア様に祈った。午前中から検査が始まった。検査結果を聞いたら、レントゲンの影は消え、血液検査も他の検査も異常なしで、主治医は怪訝な顔をしていた。しかし、私はすぐには退院できず、40日間、検査をして健康体で退院した。主イエス、聖母マリア、聖コルベ神父からの新しい命の贈り物だった!