旧約のイスラエルの民は、主なる神から遣わされたモーセによってエジプトから解放されます。最終的な解放は、紅海を渡った後に成就されますが、それに先立ってエジプトで様々な災害が起こりました。蝗や雹による農作物の破壊や疫病の発生などです。それは、イスラエルの民がエジプトから解放される為に必要な事でした。現在の世界的な疫病の蔓延や気象変動による災害の発生について考える時、あの時に起こった事の再現ではないかと思えてきます。
ところでモーセは、新約のイエス様を前以て示す存在と言われます。何故なら、モーセがイスラエルの民をエジプトから解放したように、イエス様は、全人類を罪から解放する為にいらした方だからです。モーセが、イスラエルの民に紅海を渡らせ、救いに導いたように、イエス様は、人に洗礼の水を通らせ、救いに導いて行かれます。
只、洗礼を受けても、易い生活が待っている訳ではありません。イスラエルの民が、紅海を渡ってエジプトから解放された後、40年間荒れ野で放浪し続け、最終的にやっとの事で約束の地に入れたように、イエス様に導かれる新しい民も、この世という荒れ野での旅の果てに、約束の地である永遠の命に入る事が出来るからです。
只、モーセとイエス様には、異なる点もあります。それはモーセが、主なる神を最後まで信じる事が出来なかった為、イスラエルの民を約束の地に導き入れる事が出来なかったのに対し、イエス様は、十字架の上で亡くなる時にも、主なる神に対する全幅の信頼を表明なさり、私達の「命への導き手」となられました。
イエス様が歩まれた道を、イエス様と共に歩めたらと思います。