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先輩に倣う

越前 喜六 神父

今日の心の糧イメージ

 先輩は大勢いますが、尊敬できる先輩というのは、なかなか少ないものです。人生において本当に尊敬できる先輩が傍にいてくれたら、自分の人生はどんなに楽しく、輝かしいものになることでしょう。そうした先輩は、お手本になります。

 私たちはみな、ユニークで、それぞれ個性を持って生まれてきます。ですから、どんなに尊敬できる偉い先輩がいたとしても、歴史上の人物を含め、その人の真似をするというのは、正しくも賢くもありません。真似をするのではなく、倣うのです。

 私の先輩に非常に誠実な人物がおりました。その方の誠実さに倣って、今まで何事にも誠実であるよう努めてきました。そして、結婚講座の講話のときなど、特に男性に対して、誠実な男性、誠実な夫、誠実な父親でありなさいと話しています。

 誠実さというのは、私の考えで少なくとも三か条がなくてはならないと思います。一つ目は、「嘘をつかない」ことです。二つ目は「約束を守る」ことです。三つ目は、できるだけ「言行一致を心掛ける」ことです。

 たとえば、仕事の関係で出張する時など、どこへ、何の目的で行き、どういう仕事をし、どこに泊まり、いつ帰るかの情報をきちんと妻に話しておき、現地で変更が生じたら、その旨、電話やメールで伝える。こういう習慣は、誠実な人なら必ずすると信じています。

 私自身、誠実な人間を目指しているので、嘘をついたことがありません。また、約束したら、必ず守るようにしています。たとえば待ち合わせの時間など厳守します。もし守れないようでしたら、約束などしませんし、速やかに変更します。こういうちょっとした誠実さが積み重なって、言行一致の人間になれると信じています。