生前にお会いしたかった!
と、心から思う方、長く小学校の教師をしていらして、学校劇の草分け、革新的な教育思想家、哲学者でありアーティストでもある、多才な方です。
Y先生の受け持たれたクラスの子供たちは、驚くほど生き生きとして元気はつらつ、先生は子供たちばかりでなくお母さんたちにも絶大な人気だったそうです。
熱血漢の先生は、いつでもどこでも子供たちと行動を共にし、川では魚を手づかみでつかまえるコツを伝授、野や山を探検していました。そして極めつきは、先生の創作による学校劇です。
従来の、優等生が主人公、他の生徒は「その他大勢」という役どころではなく、クラスの生徒全部が大切なひとりひとりとして登場します。
そのタイトルも『主人公はだれだ?』
さあ、開演です。主人公は誰でしょう。
勉強がよくできて、性格もよく、先生のいうことをよくきく優等生。この子は違う。あの子も違う・・・ひとりひとり、舞台から去っていきます。最後に一人残りました。
それはなんと「お人形」だったのです。
それから全員で肩を組んで合唱する『主人公はだれだ?』の歌。
Y先生のクラスの子供たちは、それぞれいろいろなことに興味をもち、好きなことに熱中し、仲間を大切にします。
先生の理想の教育は?と訊かれてY先生、「子供たちがやりたいと思っていることをぜんぶさせたい」と答えられたそうです。
すてきですね。子供たちの自由を、大好きなことを100パーセント尊重してくださったのです。好きなことを目いっぱいできる、最高の人生ですね。生まれてきて良かった!
それはまた、愛し愛される、生きるよろこびでありましょう。