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いつも生き生きと

森田 直樹 神父

今日の心の糧イメージ

 日ごとに積み重なっていく思い煩いや、毎日の人間関係でのしがらみ、また、混迷をきわめている社会情勢など、私たちの心が本当に休まる時は、なかなか見出せません。混沌と混乱の中で日々過ごしているかのような感覚を覚えています。

 時に、ふさぎ込んでしまったり、将来への希望を見失ったりすることもあります。現実を直視しないで、何か別のことへと逃避してしまっている自分自身にも気づかされます。

 厳しい現実を直視するのを避けようとする態度は、自分自身を守るために必要なことだとは思いますが、それだけでは一歩前へと進みだすことはできません。どこかで、現実をしっかりと見据えながら、希望を持ち続ける必要があります。

 希望を持ち続けることが難しい時だからこそ、心の中に希望を保ち続けたい、と願います。喜びを見出すことが難しい時だからこそ、心の中を喜びで満たしていきたいと願います。

 イエスさまは、弟子たちとの最後の食事の席で、次のように言い残されたと聖書は伝えています。「ところで、今はあなたがたも、悲しんでいる。しかし、わたしは再びあなたがたと会い、あなたがたは心から喜ぶことになる。その喜びをあなたがたから奪い去る者はいない。」(ヨハネ16・22)

 イエスさまとの出会いの内に、奪い去られることのない本当の喜びを見出し、希望を持って日々、歩み続けること、これが「いつも生き生きと」生きていくための秘訣なのではないか、と私は思います。

 たとえ、一歩先が真っ暗闇であったとしても、現実逃避している自分自身の状況があったとしても、「わたしはいつもあなたがたと共にいる」と約束してくださるイエスさまに信頼して、日々、希望を持ち続けていきたいと思っています。