今こそ、心を一つにして!
新型コロナウイルスに立ち向かい、なんとかこの危機を乗り越えていこうと全世界の人々が警戒、自粛しつつ終息の時を待つこの時!
ところが、このようなときでも、わたし達の日常生活は淡々といとなまれていたのです。
田園風景がのどかに広がるこの地では、緊急事態宣言や外出自粛要請下でピリピリした大都会の緊迫感からは遠く、川べりの土手道をジョギングする人、犬を連れた人、幼い子どもや赤ちゃんを連れた人達が春の日差しの中を往き交っていました。
ヨモギやタンポポ、スカンポなどの野草がのびのびと生い茂り、空は水色、はるかな山なみは群青色、いつも見慣れている色彩の、青のシンフォニーがとりわけ鮮やかに・・・。
なんとゆっくりした時間がながれていくのでしょう。今までの、いつも何かに追いかけられてあわただしく過ぎていた時間とは「別もの」です。
小学生の男の子と愉しげにキャッチボールをする若いお父さん。なわとびをする女の子達。あら上手ね、と思わず声をかけたくなってしまう・・・。
そしていつもは混み合う週末の街や駅の静けさは別世界のよう。
白いマスクをしたひとりひとりが、魂の内へ内へと沈潜してゆく・・。街が静かであるように人々の心も(内に不安や怖れがあるとしても)自分と静かに向き合うとっておきの「ひとり時間」を抱きしめていたのではないでしょうか。この静けさは世界を変えるかもしれません。静けさは力を持っていますから。
この人類全体の苦しみは、ひとりひとりの中にあります。そうしていつもは見えていない他の人とつながっているのでしょう。
わたし達のマスクがそのしるしであるように。