数年前、私は遠くに住む友人と一緒に、同じ時間に同じお祈りをしたことがあります。彼女にとって辛く悲しい出来事があり、「涙が止まらず何も手につかない」とメールがきたので、「じゃ、今、聖母マリアさまの取り次ぎを願って、一緒にロザリオの祈りをしましょう。亡くなった方々が永遠のいのちへ入るよう、私たちのお母さんに願いましょう」と提案しました。
キリスト信者にとって、マリアさまはお母さんです。天使のお告げを受け、神の母となることを承諾した聖書の話は、多くの画家によって描かれていますのでどなたでも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。それは「アヴェ マリア」から始まるお祈りにもなっています。
「ロザリオの祈り」はアヴェマリアの祈りを53回くり返すのですが、その際、「ロザリオ」と呼ばれるネックレスのように並んでいる珠を指で繰りながら祈るのです。マリアお母さんはしっかりと私たちの願いを聞き、神さまに届けてくださいます。大変に力強い祈りでカトリックではみんなが知っています。友人と私はそれぞれの場で心を合わせて祈りました。お互いに顔が見えませんし、声も聞こえませんが、私たちは、数年間のつきあいで相手が誠実だと信頼しあっていました。
二人で祈った後、「ロザリオの祈りでやっと落ち着き、元気を取りもどしました」とメールが来ました。後で知ったのですが、ずっと頭が痛くて寒気がし、咳も止まらなかったそうです。でも、それも快方に向かったのです。私たちの心が一つになった、とても嬉しい経験でした。