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心を一つに

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

 心を一つに...。新型コロナウイルスの猛威が世界中に広まり、いのちの大切さを切に思い、切に願う今年ほど、「心を一つに」ということを深く想った年はないのではないでしょうか。

 学校はお休みになり外出自粛、お仕事もご自宅で行うことが多かったのではと思います。当たり前の様に人と会っていたことが当たり前でなくなり、人によっては同じ家にいても、大切な家族とも会えない状況に置かれている方がおられることに心を痛めます。

 その様な中で、いのちが守られますように、早く回復します様に、収束します様に...と、同じ思いを持って、多くの方々と心を一つにして祈り、願われたのではないかと思います。

 心を一つに...。直接会うことはできないけれど、同じ目的をもって意識をもって、ともに何かをする、同じ時を過ごす。この大切さをあらためて心に刻んだのではないでしょうか。

 私たちは、普段は家庭や学校、職場でも社会で、人々とともに生きています。誰も一人で生きることはできず、ともに生きる存在なのですから。その様な中で、今、私たちにとって生きる上で何が大切なのかを、一人一人考え、その問いに対して答えを出していくことが求められているのでしょうね。

 ともにいることができたとしても、できなかったとしても、心を一つに何かを行うこと、何かを願うこと、祈ることは、私たちが生きていく上で、本当に大きな力、大きな心の支え、拠り所となります。人という漢字の様に、人と人とは支え合って生きているのですから。

 心を一つに...。このような困難な状況にあっても、大切な人に寄り添い、想いを同じくして、力強く歩んでゆくことができます様に。私たちの歩みに神が寄り添って下さいます様に。