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心を一つに

今井 美沙子

今日の心の糧イメージ

 今年に入り、新型コロナウイルスの感染が世界中に広まり、死者も増え続け、すべての業種が自粛を求められ、世界全体が大不況に襲われる、そんな状況になってきた。

 知人や友人の中にも大打撃を受けている人たちは多い。

 あと、2、3ヶ月後の生活がとてもやっていけそうになく、心配で夜も眠れないと嘆いている。

 それまで豊かに暮らしていたと思っていたのに、実は自転車操業だったそうである。

 ついこの間まで、GNP世界第2位や第3位と誇っていた日本が、実は砂上の楼閣のようなもろさであったことがわかったのである。

 食糧の自給率がわずか37パーセント、他国から輸入できなくなったら、日本人は一体、どのようにして食べていったらいいのだろうか。

 外国人観光客をあてにしたような経済政策は、もろいことがはっきりとした。

 私たちは今、立ち止まり、私たちの親や祖父母の時代を考えなおす、いい機会にしなければと思う。

 私は自分の生活の目標を、得意の時も失意の時も、同じ生活レベルで暮らすことに置いてきた。

 2、3、例を挙げると、御飯は電気釜は使わず、厚手の鍋でガスの火加減を調節しながら炊いている。洗濯機は2槽式。食器洗い機、乾燥機などはなく、手でしっかり洗い、ふきんで拭いている。

 私は親たちの生活からあまりかけ離れた暮らしはしたくないのである。

 こんな時代になったからこそ、私たちは心を一つにして生活を見直し、その分を、もっと恵まれない人たちに差し出しましょうと呼びかけたい。