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ある人の一言

シスター山本 久美子

今日の心の糧イメージ

 「神はすべてのことを通して働かれる」と、私は信じています。

 ふり返ると、神様は、日々の出来事や出会う人々を通して、私に語られ、導かれるということを実感する体験をしてきました。これまで、私には、特に指導的な立場にあるかないかに関係なく、いろいろな立場の人々からの一言にハッとさせられ、心の奥深くまで深く染み入って、神様からのメッセージだと受け取った体験が何回もありました。

 一番大きな体験は、召命の道を識別し、決断するまでの過程で関わってくださった多くの人々の言葉に勇気づけられたり、逆に迷わされたりしたことでした。まさに「言葉は諸刃の剣である」と実感しています。私を励まし、共に喜んでくださった人々の言葉には背中を押され、失敗や間違いを心配し、考え直すようにと言われた言葉には動揺し、深く傷ついたこともありました。

 他人の言葉によって、私の心も多いに迷い、揺らいだものです。しかし、そのようなプロセスの中で、私は、自分の心の動きや望みに敏感に気付き、神様がこれらの人々を通して何を語っておられるのかと祈り、自分の深いところで働かれる霊の導きを確信することができました。

 決断に至った暁には、ある人が、「どんなことがあっても辞めてはだめよ」と、心から私の選択を共に喜び、祝福してくださいました。その一言は、これまでの道のりで度々思い出され、今も私の心に響いています。時折、他人の否定的な言葉に惑わされ、傷ついたことを今も思い出しますが、それらの言葉は、「傷ついてもなお深めたいと思えるような大切なこと」に私を向かわせ、促してくれるメッセージとして、穏やかな気持ちで受け取ることができる私です。