冬になると雪国生まれの私は、豪雪地帯のふるさとの思い出がよみがえります。白銀の美しい自然の中での楽しい日々と、大雪の中で生死をさまようほどの困難を克服できた時の喜びと感謝。忘れることはありません。
私はふるさとを離れる日までの約20年間、大雪、洪水、台風、地震の自然災害を体験していますが、時が経つと、命の大切さ、自然の恵みへの感謝を忘れ、便利なことが当たり前だという甘い考えを抱いてしまいます。
しかし、ふるさとで生まれた愛の助け合いの力は、信じ合えた心の絆としてずっと持ち続けています。また、何度も困難から復活したお米や野菜は大変美味しく、今も大好きです。
もう一つの信じ合えた心の絆は、高校時代、合唱部に所属していた時、平野と日本海を結ぶトンネルの中で歌ったコーラスです。
その曲は四部合唱に編曲された楽譜に日本語の詞が付けられた映画音楽「エデンの東」でした。合唱部員が心を一つにして「喜びには、ともに喜び、悲しみには、ともに涙す、まことの愛に、我今ぞむせび泣く、むすびしは、我らが心・・・」のハーモニーは、祈りの音楽の道を歩んでいる私に今も寄り添っていてくれます。
美しい地球は今、恵みの雨が脅威の雨と言われるようになり、思い通りにならない社会を、便利すぎる中で生んでいます。
地球は今、傷つけられています。私たち人類の半数以上が大変な境遇の中で生活しています。
私は、大好きな典礼聖歌「涙のうちに種まく人は」の祈りと共に、逆境の中から多くの生きる力をもらった感謝を忘れず、良い種を撒く人になりたいと思います。