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歓迎する

熊本 洋

今日の心の糧イメージ

 まともな人間なら、自分に敵愾心を持つ人を歓迎したり、見ず知らずの人を、突然、歓迎することは考えられません。歓迎できる人とは、だれか?

 親しい間柄から、順にみますと、親族、友人、知人、恩人の順になるのではないでしょうか。そこにみられる人間関係の機微、趣き、味わいは、それぞれ、重く、深く、人生の何よりの宝と言っても過言ではありません。そこには、愛情、友情、それに、一貫した感謝の念もみなぎっています。親族と友人、知人、それに恩人との人間関係をそれぞれ観察しますと、次第に親しさ、親密さは薄らいでいきますが、礼節を尊び、礼儀をわきまえなければならない間柄は次第に深まっていきます。

 親族同士や親しい友人や知人との間柄なら、久しぶりの再会の挨拶も、視線を合わせ、目配せだけで済ませることもできますが、これが敬意を払うべき知人や上司、恩人となりますと、そうは、いきません。まずは、そばに近づき、丁重な挨拶を交わすのが当然の尽くすべきマナーであり、礼儀であります。ときには抱擁し合い、背中を叩き合い、親密の情をあらわにすることも少なくありません。このとき、挨拶とともに、相手を褒め称える賞賛の言葉や尊敬の念も表明できれば、尚一層、喜ばしく、大いに助長されるべきことであります。これによって、人間関係は一段と深まり、友情も疑いなく、深まり、確固たるものになります。

 一方、上司の方からは、笑みとともに相手を親しく抱擁し、互いに背中を叩き合える仲になれば、両者の親愛の情は、一段深まり、これまた、確固たるものになったあかしであり、証左であります。