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ひたすら前に

シスター山本 久美子

今日の心の糧イメージ

 高校生の時、ある講話を聞いて、私は食事も喉が通らないほど感動したことがありました。しかし、同じ話を聞いていたある友人は、感動するどころか不満だったようで、私は、人によってこんなにも感じ方が違うものかと実感し、ショックを受けました。そして、この出来事は、物事を否定的に受け止めがちだった自分自身と、「物事は、もっと積極的に受け止めて感動できる方が幸せになれる」と、私に気付かせてくれました。

 修道会入会後、私は、多くの外国の方々と接する機会にも恵まれ、ものの受け止め方や感じ方の違いにあらためて驚かされ、また、特に神様の無条件の愛を、実際に出会う様々な人々を通して実感し、多くのことを学んでいるように思います。

 しかしながら、ものの受け止め方は、自分の努力等によって容易に変えられるものではありません。何かに出くわした時、心に自然に湧きあがってくる反応や感情は、自分でコントロールできるものではありませんが、長い間、私は、自分の中に起こる否定的な感情を受け入れることが嫌で、却ってそれに振り回され、自分自身の価値を判断し、自分を責め続けて来たように思います。しかし、様々な人々の関わりを通して、私は、それぞれの感じ方や受け止め方の中にこそ、神様のそれぞれの人への固有のメッセージや導きがあるのではないかと気付かされたのです。そして、どんなに激しい感情であってもやがて過ぎ去るものだということも経験してきました。

 こうして、日々、私は、感じた様々な心の動きをふり返り、落ち着いて受け止め直すことを通して、自分の心の動きの中に働かれる神様と出会い、ひたすら前に歩んでいます。