クリスマスのメッセージ

越前 喜六 神父

　クリスマスが、全人類にとって歓喜の祭典であることはいうまでもないでしょう。宗教の有無、宗派の違いを超えて、人々は今日の日を喜びます。

　しかし、そのメッセージが何を指し示しているかを本当に分かる時、私たちは救われるでしょう。クリスマスは、ただ単に、救い主イエスが誕生された日です、と知っていても、それは救いになりません。それは単なる情報知にすぎません。

　クリスマスを迎えても、まだ多くの人々が迷いや不安に悩んでいるのは、神さまの恵みが不足しているからではありません。神さまは、いつでも誰にでも溢れるほどのお恵みを注いでいらっしゃいます。それなので、救いが実感できないのは、神の平和や恵みが外部から訪れると思っているからです。神の平和や喜び、すなわち救いは、各人の心の内奥から湧き出てくるものです。それを私なりに表現すると、こういうメッセージになります。神さまは、私たちひとり一人に、救い主イエスを通して、こう告げておられるのです。

　「わが子よ、あなたはわたしの愛する神の子として素晴らしく尊く、賢く、美しくて力強い存在なのだよ。だから、わたしはあなたが可愛くてしょうがないのです。あなたは、神さまと一つであるから、神のごとく、何でも所有し、何でもできます。そして、あなたはあるがままの状態で完全・完璧なのですよ。そのことを信じ、認め、そのように生きていきなさい。そうすれば、天国にいらっしゃる天使や聖人のようになるでしょう。困ったことがあったら、祈りによってわたしにすがり、わたしを頼りにしなさい。そうして人事を尽くしなさい。そうすれば、直ぐに助けてあげましょう。」

　これがわたしの信じる「大きな喜び」です。