クリスマスは、キリストの誕生を喜び祝う日。この地上にお生まれになった幼な子イエスこそが、天の父からの素晴らしい贈り物なのだと、私たちキリスト者は知っている。
クリスマスの本来の意味はだいぶよく知られるようになって来たが、やはりまだ、小さな子どもにとっては、クリスマスはサンタクロースがプレゼントをくれる日であるらしい。サンタクロースの存在を信じている子どもも可愛いが、子どもの夢を壊すまいと、苦心している大人たちを見ると心温まる。その愛情のおかげで、子どもは無垢で幸福な時代を過ごせるのだ。しかしなぜ、サンタクロースに限って、彼らはそれほど一生懸命になるのだろう。
それはおそらく、サンタクロースがよきクリスマスの精神を体現しているからではないだろうか。その起源が、暖炉に金貨を投げ入れ、貧しい人々を援助した聖ニコラウスである通り、サンタクロースは見返りを求めず、贈り物をしてくれる愛情深い人である。また、子どもたちを一年の間見守っていて、何が欲しいか知っていてくれる人である。よい子であることもわかっていてくれて、欲しいものをご褒美に贈ってくれる。姿は見えない。日常の外から、特別の日にやって来て、また遠い所に帰って行く不思議な存在なのだ。
人々は心のどこかで、クリスマスとは、思いやりと愛を表す特別な時間だと感じている。そしてそれは、本当に人に必要なものなのだ。私たちにそれを伝えるために、毎年、赤い服を着た白髭の老人は遣わされて来るのかもしれない。地上に沢山の贈り物を賜る方の眼差しを感じながら、今年も私たちはクリスマスの幸福を味わう。