▲をクリックすると音声で聞こえます。

クリスマスのメッセージ

小川 靖忠 神父

今日の心の糧イメージ

 慣れ親しんできた場所を離れ、初めての土地に行きますと、毎年巡ってくる季節的な催しものの内容に違いを感じることがあります。しかし、一つだけ、場所にとらわれない祭典があります。少なくとも日本国内で。

 それは、クリスマスです。少しずつその過ごし方に変化は生じているようですが、国内的には大きな差異はないのではないかと思います。子どもにとってはケーキを食べられる日、若い男女にとってはデートして晩餐会を楽しむ日、他の人にとってはいかがなものでしょうか。

 共通して言えることは、楽で、賑やかで、優雅さが感じられる過ごし方といえないでしょうか。

 カトリック教会では、家族そろってミサに参加します。そして、世界平和を祈り願います。

 以前、教会でのキリスト降誕ミサは、夜中の11時30分からでした。子どもたちもたくさん参加していましたが、その多くは寝こんでしまいます。わたしも、祭壇で侍者をしながら眠ってしまっていたことを覚えています。

 しかし、今思うのです。仮に、眠ってしまったとしても、その子にとっては無駄なことではなかったと思うんです。親と一緒にクリスマスの深夜ミサに行った、兄弟姉妹で一緒に歌った、大きくなって、たとえ、嫌な苦い経験であったかもしれないけど、長い人生の中ではいいことにつながっていきます。これが「生きている」ことの意味ではないんでしょうか。

 現代におけるイエスさまからのメッセージを、家族そろって聞き、その内容が、先ず家族内で、友人間で実践できれば、これまたクリスマスの一つの過ごし方です。家族が一堂に揃うことです。イエスさまのささやきは、静けさの中でわたしたちに届きます。