イエス様は、最後の晩餐の席で、弟子達に次のように言われました。
「私は、平和をあなた方に残し、私の平和を与える。私はこれを世が与えるように与えるのではない。心を騒がせるな。怯えるな。『私は去って行くが、また、あなた方の所へ戻ってくる』と言ったのをあなた方は聞いた」。(ヨハネ14・27~28)
私達は、平和を、戦争のない状態と考えがちです。けれどもイエス様は、このような概念を超えた平和を、私達にお与えになります。それは、どのような平和なのでしょうか。
イエス様は、先程の箇所に先立って、次のように言われています。
「心を騒がせるな。神を信じなさい。そして私をも信じなさい。私の父の家には住む所が沢山ある。もしなければ、あなた方の為に場所を用意しに行くと言ったであろうか。行ってあなた方の為に場所を用意したら、戻って来て、あなた方を私の元に迎える」。(ヨハネ14・1~3)
私達は、自分の心が不安で一杯の時、誰かからの抱擁、とりわけ親しい人からの抱擁によって、その不安が雲散霧消すると言う経験をする事があります。あるいは、そのような時、誰かから、とりわけ信頼する人から「祈っていますよ」と言われる事によって、心に平和を取り戻す事があります。それは、親しい人の心の内に自分が生きている事を再認識して、安堵する瞬間です。
イエス様は、御自分の死と復活を通して、父である神様との間に平和を築いて下さいました。父である神様は、御子イエス様の業によって、私達を養子として受け入れて下さいました。「父である神様が、御自分の心の中に、私を受け入れて下さっている」と言う確信こそが、今の私の心の平和の礎となっております。