私が長年愛用している、ドン・ボスコ社発行のカトリック手帳の2019年度版の表紙は「聖家族」の美しい宗教画です。いつも、この手帳を開く前に、毎日スケジュールが充実していることに感謝の祈りを捧げます。
私はその手帳に載っている「あなたがたが、わたしを選んだのではない。わたしが、あなたがたを選んだ。」で始まる、召命を求める祈りの中の「ほほえみで周りを照らし、愛の心で皆を温める人」の部分が大好きです。この世に命を授かった私が、今まで多くの人人から受けてきた、愛と心の支えが重なります。
そして、大好きなこの祈りの部分は、人々に支えられてきた感謝のうちに、自分自身も、人々を支えることが、私の今の役割であると自覚して、その役割を果たすことができたら、こんな幸せなことはありません。
合唱を指揮する私の場合、音楽を通して、多くのすてきな人々と出会うことができます。音楽は、いつの時代でも人の心を結びつける不思議な力があります。最近は、ただ美しいメロディー、力強いリズム感だけでなく、心の優しさ、温かさを表す演奏がより強調されるようになっています。
祈りと音楽の不思議な力で、社会に横行する多くの問題を少しでもより良い方向に導くことができたなら、と思っています。
支え合っているはずの家族愛の危機、年齢に関係なく孤独な日々を送る人が多くなっています。しかし、一方で、この状況を何とかしようと一生懸命努力されている人々の輪も広がっています。
私もその愛の輪に加わり、少しでも良い社会を築く一端を担う人になりたいと思っています。