現代人が心から求めているもの、それは、自分の居場所ではないでしょうか。
以前、路上生活をされている方々の炊き出しに参加した時、一人のスタッフの方が、「ホームレスとハウスレスは違います」と言われ、ドキッとした事を覚えています。もし、単に住む家を持たない人達が、「ハウスレス」と呼ばれるとしたら、「ホームレス」は一体どのような意味になるのでしょうか。それは、心から寛げる場を持たない人かもしれません。老年期に入ると、誰もが求めるのは、竟の住処です。果たして私達は、この人生の中で自分の居場所を見出す事ができるのでしょうか。
韓流ドラマの先駆けとなった『冬のソナタ』と言う番組の中で、主演の男優さんが女優さんに、「将来住むとしたら、どんな家が良い」と尋ねたのに対し、女優さんは「愛する人の心の中が一番良い住処」と答えました。私はその時、「福音的な対話だな」と思いました。
イエス様は、弟子達に、「私が父の内におり、父が私の内におられる」(ヨハネ14・10)と繰り返し教えられました。イエス様は、常に御父の事を考えておられましたので、御父がイエス様の心の中に住まわれ、御父に心から愛されていらしたイエス様も、御父の心の中に住んでおられました。イエス様は、私達を、御父の心の中に住まわせようとして、この世にお出でになりました。
弟子達に仰っています。「私の父の家には住む所が沢山ある。もしなければ、あなた方の為に場所を用意しに行くと言ったであろうか」(ヨハネ14・2)
私達は、御父を愛する事によって、私達を心から愛して下さっている御父の家に住む事ができるようになります。この真実を、多くの人に伝えていきたいと思います。