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年長者と共に

シスター山本 久美子

今日の心の糧イメージ

 私は、5人の年長者のシスターと共同生活をしています。この生活を始めて、30年近くになり、私のごく普通の日常になっています。しかし、始めの頃は、不安と緊張、驚きやストレスの連続だったように覚えています。

 そこで、今回、何故、このような生活を続けられるのかと、自問してみました。私は、共同体のメンバーと、血縁関係にある両親や姉妹よりも、長い年月を共に過ごし、いろいろな出来事や思い出を共有し、互いを受け入れ合うことを学んで来たからだと実感しています。目に見えないつながり、不思議な安心感、帰属感のようなものが自分の中にあることがわかります。

 ジェネレーションギャップと言われるように、年代、社会背景、育った環境の違い、経験、考え方や価値観の異なり、それらの違いを受け入れ合うことは容易なことではありません。年長者も、人間としての限界や弱さに差異はありません。

 あらためて自分自身と同じ共同体に生きる一人ひとりを観ると、その人なりの経験、努力、信仰があって、神様と人々のために仕えるという同じ目的を持っているからこそ、今日まで共に過ごして来られたのだと気付きます。自分の歩みをふり返るだけでも、それなりの苦労やいろいろな経験を経て、共同体の関わり合いやよろこびも深まって来たと思えます。

 私は、時には、年長者に囲まれた共同生活に人間的な嫌気がさしたり、疑問さえ感じることもあります。しかし、一人ひとりとの関わりを通して、目に見えないそれぞれの人生の重み、個性や違いを、神様からいただく恵み、豊かさとして受け止める、心の姿勢を自然に学んでいることに気付かされ、年長者と「共に生きる」意義を教えられています。