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ホッとするとき

末盛 千枝子

今日の心の糧イメージ

 いろいろな条件が合わなくて、なかなかミサに行けないこの頃です。

 2010年に東京から岩手に引っ越してきたのですが、盛岡の教会に行くのに、高速道を使っても車で40分はかかります。そして、ミサの時間が日曜日は朝9時だけです。でも、障害のある長男の手当てをしてからでなくては家を出られないのです。引っ越す前には、教会の隣に住んでいました。ですから、ミサに行けないということはほとんどありませんでしたし、買い物の途中でもちょっとお祈りがしたいという時には、買い物カゴを提げて聖堂に寄ったりして、教会の隣に住む幸せを存分に味わっていました。

 そして再婚した夫が住んでいた鎌倉では、一緒にミサに行くことも多くありました。夫婦で並んでミサに与るということがなんと幸せなことだったかと、夫が亡くなった今、あらためて思います。

 今は、息子の体のことを第一に考えるようにしているので、それはそれで仕方がないのだと思うようにしています。でも、例えば、これまた全く別な難しい問題を抱えた、東京に住む次男のことが心配で眠れないような時もあるのです。

 そんな時、長男にミサのことをそれとなく相談すると、日曜の朝の手当ては、やはり遅くなると不安なようです。それよりは、前日の土曜日の夕方のミサに行ってくれた方が、帰りが少し遅くなっても気が楽なようです。それで、先日のこと、思い切って夕方のミサに行きました。本当に久しぶりのことでした。北国の夜道を帰るのは、なかなか気が重いのです。でも、ミサから帰って、本当にホッとしました。

 抱えている問題は具体的には一つも解決したわけではありませんが、それでも心の平安が与えられたと思いました。