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わたしの支え

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

 昔の古い家、土間のある家の中には、しっかりした大きな太い柱、大黒柱が立てられて、家を支えていました。その柱、その支えによって、家が立っていることができるのですね。しかし残念なことに、今はめっきりその様な家、大黒柱を見ることは少なくなりましたが、家があり、立ち続けているなら、人目に付かなくても支えているものが必ず存在します。

 私たちも自分が自分でいられるためのもの、どんなに辛いことがあっても、これがあったから、この人がいて下さったから、この言葉があったから・・など、一人一人、大切な支えがあることでしょう。

 この様に思いつつ、わたしの支えについて思い巡らしてみました。暖かく見守ってくれる実家の家族、学生時代や社会人時代に出会った方々、修道院でともに生活している先輩方、信徒の方々など、多くの方々に支えられて「今の私」がいることに思い至ります。

 神様が私の存在を根底から支え、守り導いておられるので「今の私」がいるのは、もちろんのことです。

 私の好きな聖人の言葉の中に「神は私のうちに 私は神のうちに」という言葉があります。目に見えず、感じられないかもしれないけれど、神がいつもともにいて支えて下さり、私は神のうちにいる...このことは私にとって大きな支えです。

 疲れた時、思い悩む時、私を支え、ともにいて下さる存在に心を向けることができるなら、自分一人ではないことに気づき、力を汲んで、歩みだしてゆくことができます。みなさんも自分の支えは何だろうと、思い巡らしてみてはいかがでしょうか。そしてその支えをこれからも大切に歩まれてはと思います。

 いつの日かその支えの中に「神様」という存在がおられることに気づかれるかも知れませんね。