薄いクリーム色に教会の鐘が2つキルティングしてあるデザインで、新しく生まれる子のために布団一式を贈った。新年の1月13日に元気な男の子が誕生した。私は週末を待ちきれないかのように家に帰って、真路と名付けられた赤ん坊と対面した。目をパチっと開けて口もとは笑っているようだった。
上の3人とは一緒に暮らした時期があるが、4番目の真路とは暮らしたことがない。たまに休みで帰った時に会うだけだった。
私の母はその頃聖書研究会に入っていて、旧約聖書、新約聖書を二度通読していた。母は書道家なので、気に入ったみ言葉があれば色紙に書いていた。色紙を書くと、真路は、意味がわかっているかどうかはわからないけれど、次々と暗唱していた。まだ3歳になっていなかったと思う。
ある日、私のアパートに電話がかかってきた。母は、真路が暗唱したみ言葉を聞かせたかったらしく、私の電話番号を押した。出たのは真路だった。「強く雄々しくあれ。うろたえてはならない。おののいてはならない。あなたがどこに行ってもあなたの神、主は共にいる」(ヨシュア記1・9)と言って電話は切れた。
私の旅路の糧となった祈りだった。