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子どもの祈り

黒岩 英臣

今日の心の糧イメージ

 我が家の息子は、カトリックの幼稚園、小学校に行っていたので、毎日、みんなと一緒に祈る時間がありました。その中で、自分が神様から愛されていること、親、先生、友達からも愛されているので、自分もまた他の人を愛する、大切にすることを、分かっていったと思います。

 その日常の一コマにこういう事がありました。息子が「何ちゃんてひどいんだよ。何々ちゃんをいじめるんだもん」と私の義理の妹に言いつけました。妹は、「そう?それはいけないわね。ハル君はそんな事しないのね?」とたずねると息子は、「ううん、僕もその仲間」と答えたそうで、妹は、「私、もう、ひっくりかえっちゃったわよ」とゲタゲタ笑いころげておりました。

 こんな風に、自分も同じ目線に立って人を見る、というおごりのない気持ちも育ったようで、これも祈りの実りとして、私達には嬉しい収穫でした。

 ところで、聖書の申命記という書物の中に、子供たちに関わる熱烈な記述がありますので、ご紹介しましょう。

 それは、主である神が、イスラエルの民をエジプトから救い出し、ご自分の民とした時に与えられた、十戒の説明の後に述べられています。

 「聞け、イスラエルよ、我らの神、主は唯一の主である。あなたは心を尽くし、魂を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい」(6・4〜5)とした上で、「今日私が命じるこれらの言葉を心に留め、"子供たちに繰り返し教え、家にいる時も道を歩く時も、寝ているときも起きているときも"これを語り聞かせなさい」と仰るのです。(6・6〜7)

 私も、幼なかった息子を寝かしつけるとき、たびたび聖書の物語を話し聞かせていたものでしたが、まさかここまで徹底してはいませんでした。主よ、申し訳ございません。