彼女は驚きました。幼稚園に通う長女の世話は、どうしよう。生まれてくる赤ちゃんの準備が何もできていないわ。夫と相談しました。さらに夫の両親とも相談し、姑に来てもらうことにしました。
私はその話を聞いてすぐにでも飛んでいきたいところでしたが、身動きが取れないのです。北海道の農場で飼っている羊たちの出産ラッシュと重なっていたからです。「神様どうか、娘と赤ちゃんが母子ともに健康でありますように」と祈りました。
彼女は入院しました。帝王切開は予定日の3週間前です。早産止めの薬を点滴しながら、そろそろと動きます。薬のせいで手はしびれ、悪阻も再開してしまいました。そんな地獄のような日々が6週間続きました。
いよいよ帝王切開の当日です。私は再び神様に祈りました。「もう贅沢は言いません。どうかどうか2人の命をお助け下さい」気がつくと手術は終わっていました。母子ともに助かったのです。
「神様、心からありがとうございます」
最後に私の祈りは感謝に変わっていました。