2018年09月08日の心の糧


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自然とわたし

松浦 信行 神父

今日の心の糧イメージ 高松に転勤になって、気がついたらもう2年になります。そして遠方に仕事で出かけていった帰りに、自動車から、屋島の、頂上が真っ平らの姿を発見すると、「ああ高松に帰ってきたんだ」と感じるようになりました。青森に住んでいる人が、岩木山を見ると故郷に帰ってきたと実感するというような話を昔聞いたことがありますが、見慣れた風景を見ると、自分の持ち場に佇む実感が本当にわき起こるのだなあと悟り始めました。

そういえば、神父の卵の養成で那須にいた頃は、東京から自動車を運転して、目の前に茶臼岳が見えると、「帰ってきたんだ、また神学生たちと一緒に生活、がんばらないと」という思いがこみ上げてきましたし、東大阪に住んでいた頃は、生駒の山並みを見ると、「もう休暇は終わり、これから仕事だ。」と、心がリセットされたことを思い出しました。

人間には、見慣れた日常という環境があります。そして、この見慣れたものが、次の1歩を生み出す元気を与えてくれるということがあります。

このように考えていると、「オー・ゴッド」という映画の一場面が思い出されました。

ジョージ・バーンズ扮する神様が、ジョン・デンバー扮するスーパーの副店長に現れたとき、その副店長は、神様が現れたとパニックに陥りました。そこで神様は言います。「いつものように、ひげを剃りなさい。いつものことをやっていると落ち着きますから」。それで副店長はひげを剃りながら、落ち着きを取り戻し、神様と話すことができました。

山という、自然を映し出す風景が、その風景を見ながら生活する人々の、些細な日常生活に生きる基盤を与えていること、すなわち、私たちを支える基盤を自然の中に見出すのです。