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自然とわたし

熊本 洋

今日の心の糧イメージ

神の知恵を授かった人類は、地上の被造物について、これを生かし、活用することは、神のみ旨に沿った、よいこと、喜ばしいことだと思います。

聖書は、生態学の諸問題について、いかに対処すべきかについても、明らかにしており、自然を単なる開発の対象とすべきでないと明言しています。自然は、創造主からの人類への贈り物であり、人間行動と密接な関係があります。そこでは、常に、人間の尊厳が輝き、際立っています。この人間の尊厳を守り抜くには、時代の先端・テクノロジーに対して、人権と倫理が、同じく際立って尊重され、大切にされることが必要であると思います。

ところで、人間の生活圏は地球上に限らず、宇宙にまで広がり、宇宙は全人類の課題、関心事となっています。エコロジーに対する人類の責務は重く、その影響は、後世、子々孫々にまで及ぶものであり、我々が依存するテクノロジーに対する倫理と人権の優位、より優れた高い立脚点が確立されねばなりません。また、科学・技術の活用に際して、これをもたらした人間の才能、人材の功績に対して高い評価と尊敬の念を表せねばなりません。

科学と無関係あるいは両立可能とする信仰の課題に触れると、神は自然の中に臨在していると考えるのではなく、自然は、全能の創造主たる神から人類へ贈られた賜物とわたしは考えます。人々の生活スタイルは、それぞれ、個人的にも社会的にも、異なりますが、経済的には、無駄を廃し節約を旨とするのは共通、共有の意識であり、課題であります。仕放題の消費に陥ることなく、万人の需要を満たす適正な生産を常に期待しますが、これが神のみ旨であると信じます。