1という数はシンプルな数字だ。神さまは、もしかすると、3番目のしもべには、たった1つの能力を発揮するように望まれたのかもしれない。1タラントンを預けられたしもべは、「あなたは蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集められる厳しいお方だと知っていましたので、恐ろしくなり、出かけて行って、あなたのタラントンを地の中に隠しておきました」と言い訳をした。(参:24~25節)すべてを神さまにお任せして飛びこめば、思いがけない自分を発見し、人びとに喜びを分け与えられたのにと思えるのだ。
主人が1タラントンを預けたしもべには、彼だけに与えられた能力発揮のチャンスだったかもしれない。行動を起こさないうちに、心が揺れ動き、きのうがきょうになり、きょうがあしたになりと、引き延ばしているうちに、時は流れ、時間切れになってしまった人のことを指すのだろう。
たった1つの能力、自分のタラントンにひたむきに生きるひと、野球のイチロー選手のような人は素敵だと思う。