私はそのみ言葉のカードを毎日1枚ずつ読んで紙に書き移して病室の壁に貼り、心の支えとした。夫の病状に一喜一憂する、その日、その時の状況に、ぴったりの励ましや慰め、希望の言葉が書かれていて、私はどれだけ慰められ、救われたかしれない。
例えば、2度の大きな手術の後、高熱が続き、夫はもう治らないのではないか?と絶望しかけた時、その日のカードに「疲れた者、重荷を負う者は誰でもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう」(マタイ11・28)とのみ言葉があった。私は神様が一番いいようにして下さる・・・と思い直して、イエス様に全てを委ねて祈った。すると心が軽くなり、新しい力が湧くのを感じた。
夫は一時職場復帰したが、癌の再発は容赦なく、迫り来る死の破壊力の前には、この世のものは何の力もないことを悟らされた。
しかし、死から復活されたイエス様に委ねて祈れば、心が安まり、苦しみに耐える力をいただいた。この時、死の暗闇の恐怖から私たちを守り、救い上げて下さるイエス様は、まさに天から差し込む一条の光、命綱だった。
夫はこの命綱に縋って微笑みながら天に召された。私は今、しみじみと想うのである。
「イエス様のみ言葉は全て真実。イエス様は真の救い主だ」と。