そもそも、先のことをあれこれ思い煩ったところで、明日まで生きている保証さえわたしたち人間にはない。それどころか、1分先に何が起こるかさえ予測できないのが人間の限界だ。先のことをあれこれ思い煩っても、ほとんど意味がない。わたしたちにできるのは、与えられた今この瞬間を精いっぱいに生きることだけなのだ。
仕事に追われ、様々なことに思い悩む日々の中で、わたしたちは空の鳥をじっと見たり、道端の花に目をとめたりするゆとりを失っている。そんなとき「空の鳥をよく見なさい」というイエスの言葉を思い出したい。鳥や花、空をゆく雲の美しさに魅了され、時間を忘れて大自然と向かい合っているうちに、日々の生活の思い煩いで疲れ切った心は少しずつ癒されてゆく。そして、あわただしい生活の中で忘れていた大切なことを思い出すのだ。
わたしたちは神の愛の中で生きている。先のことなど何も心配する必要がない。そのことをしっかり心に刻み、1日1日を精いっぱい生きてゆきたい。