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わたしの好きなみ言葉

越前 喜六 神父

今日の心の糧イメージ

わたしは書店に生まれ、多くの本に囲まれて育ちました。しかし、読書をしていると、親父から、「本なんか読んで遊んでいるんじゃない」と叱られたものです。でも、こっそり隠れて、童話や小説などを読んでいました。ですから、好きな言葉は沢山あります。

聖書の言葉を別にすると、明治時代に流行った「天は自ら助くる者を助く」という、いわゆる自助努力という言葉が、自分の青春時代を支えていたので、大好きです。

明治の文明開化の時代、多くの日本人は、『西国立志伝』という本を読んで発奮し、自らに与えられた尊い能力や才能をフルに発揮しようと努力して、多くの偉大な業績を残されました。

わたしは、両親を早く亡くし、兄弟の多い大家族の末っ子として育ちましたが、子どもの頃より、自分のことは他人に頼らず、自分自身でやろうと決意し、今日までやってきました。

戦中・戦後の暗い世相の中、ただ神にのみ頼り、祈りながら、人事を尽くしてきました。そこで分かったことは、人にはみな、すばらしい可能性があること、それは、他者によって引き出されるものではなく、自らの力で引き出すものだという真理です。自ら自己の運命を切り開こうと努力する時、神は必ず助けてくださいます。

わたしはこうした生き方をしてきて、本当に困ったことはありませんでした。どうしても助けが必要な時は、謙虚に最小限度の援助をお願いしました。そして、自らには、意識していない宝が沢山隠されていることも知りました。わたしたちは神の子として、必要なものは与えられているのではないかと思います。

 

聖書にもこう書かれています。

「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。」(マタイ6・33)