明治の文明開化の時代、多くの日本人は、『西国立志伝』という本を読んで発奮し、自らに与えられた尊い能力や才能をフルに発揮しようと努力して、多くの偉大な業績を残されました。
わたしは、両親を早く亡くし、兄弟の多い大家族の末っ子として育ちましたが、子どもの頃より、自分のことは他人に頼らず、自分自身でやろうと決意し、今日までやってきました。
戦中・戦後の暗い世相の中、ただ神にのみ頼り、祈りながら、人事を尽くしてきました。そこで分かったことは、人にはみな、すばらしい可能性があること、それは、他者によって引き出されるものではなく、自らの力で引き出すものだという真理です。自ら自己の運命を切り開こうと努力する時、神は必ず助けてくださいます。
わたしはこうした生き方をしてきて、本当に困ったことはありませんでした。どうしても助けが必要な時は、謙虚に最小限度の援助をお願いしました。そして、自らには、意識していない宝が沢山隠されていることも知りました。わたしたちは神の子として、必要なものは与えられているのではないかと思います。
聖書にもこう書かれています。
「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。」(マタイ6・33)