教え子も、何とかハロウィンを終えてからお葬式ができないものかと考えました。でも、どう考えても無理だったのです。そのことを娘さんに告げると、案の定、娘さんはだだをこね始めました。「私がとっても楽しみにしていたハロウィンに出られないなんて考えられない」と、だんだん興奮していくのです。
教え子もそのご主人も、何とかできないものかと思案に暮れたとき、何を思ったのか、いつも妹の威勢に負けてばかりのお兄ちゃんが妹の前に進み出て、じっと妹の顔を見て「あのな、ハロウィンは来年もあるんやで。でもな、おじいちゃんの葬式は、明日しかないんや!」と、諭したのです。
妹はそのとき、はっとした顔をして、「おじいちゃんのお葬式は明日しかないの?」「そう、明日しかないんや。」それで、妹は急におとなしくなり、「おじいちゃんのお葬式にわたし行く」と、皆に告げたのでした。
小さな子供たちが、命の関わりの大切さに目覚めた瞬間でした。