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悔い改める

森田 直樹 神父

今日の心の糧イメージ

今でも決して理想的な体型ではないのですが、今から20年ほど前、血液検査をしてもらい、その結果を聞きに病院へ出かけた時、お医者さんから、「神父さん、これは、くい改めてもらわないといけないですね」と言われてしまいました。身長と比べて体重が多すぎるうえに、それに伴う様々な兆候が現れていて、食生活の改善と運動を強く勧められたわけです。

教会で「悔い改め」を説く神父である私が、お医者さんから食事の「食い改め」を宣告されてしまい、思わず苦笑いしてしまいました。

食生活はさておき、私は日々、「悔い改め」ているだろうかと、このエピソードを思い出した時、考え込んでしまいました。もしかすると、神さまがいつくしみ深く、どこまでもゆるされることに、ついついあぐらをかいていないだろうか、と反省させられました。

自分自身の考え方や習慣、行動パターンを変えていくことは、なかなか難しいことです。しかしながら、これらにゆがみがあることを認め、日々、新しい自分に変わっていくことは、信仰生活の一つのあり方だと思います。

まずは、自分自身のあり方をじっくりと見つめなおし、そこにゆがみや傷を発見すること。そして、これらとしっかり向き合うことが大切なのでしょう。

そして、自分中心に凝り固まったあり方から、周りの人たちや神さまに目を向けていく時、悔い改めは実りをもたらすのでしょう。

つまり、「悔い改め」は自分自身だけで完結するものではなく、周りの人々や神さまに自らの存在を分かち合っていくことにつながっていくのだと思います。

結果的に、周りの人に自分をさし出す「ゆとり」と「しなやかさを「悔い改め」はもたらし、本来の自分自身を取り戻すのです。