この季節に母が上京し、私の小さな家に泊まった。朝、グレゴリオが「ホーホケキョ」と鳴いた。母が「あら、うぐいすが鳴いている」と言ったので、窓を開け、母と一緒に梅の木に止まっているうぐいすを見た。私は「グレゴリオ~」と呼んだ。すると窓すれすれに翼を広げて飛んできて、梅の木に戻った。母は「あのうぐいすはあなたのことがわかるのね」と言った。また「グレゴリオ~」と呼ぶと、またブーメランのように飛んできて、梅の木に戻った。
グレゴリオは、土手の後ろの古い建物が取り壊され、新しいマンションが建つことになり、解体工事が始まると来なくなった。しかし、母と二人で見たグレゴリオとの出来事は、神さまが造ってくださった植物や鳥を純粋に愛でたときに現れる、マリアさまの心だったのかも知れない。
「マリアさまの こころ それは うぐいす」という歌があるように。