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評価する

末盛 千枝子

今日の心の糧イメージ

評価する、ということを考えた時に、幾つかの忘れられない思い出があります。

それはどれも子供たちのことについてですが、その子なりに、とてもいいところがあると思うのに、それが学校の成績には全く反映されないということを経験しました。もっとも、小学校1年の時に長男が書いた詩を、先生が本当に気に入ってくださり、ある日の学級通信の全面を使って、それを紹介してくださったことがありました。あの先生は、いつもなかなかエンジンのかからない彼の良さを評価してくださったのだと思います。

でも、そんなことばかりではありませんでした。たくさんの難しいこともありました。いつも不思議なことだなあと思っていたのですが、ある時、放送作家の永六輔さんからこんな話を聞いたことがありました。あの方のお母さんは、息子が学校から通信簿をもらってきても、「これは学校の先生がお前を見ていることで、私とは、関係がないから」と言われて、ご覧にならなかったというのです。つまり、それは親として、自分の息子のいろんな面をみていて、それは学校の先生の評価とは違っていて当たり前だと思っておられたのではないでしょうか。それは、なかなかできないことだと思います。

でも、それはとても大事なことのような気がして、私は、本当に助けられました。子供を学校の点数だけで見てしまって親も一緒になって一喜一憂していたのでは、子供は立つ瀬がないと思います。自分の息子には、点数に表われない、こんな良い点があるのだと思い、それが人間としてとても大切なことだと信じ、育てていければいいのにと思います。そういう息子を通して、教えられたことはたくさんあります。